日 時:2012 年 1 月 19 日(木)19 時 00 分~21 時 00 分
場 所:名鉄ニューグランドホテル7階
(名古屋市中村区椿町6-9JR名古屋駅前(新幹線側)
講 演:教科書に記載のない脊髄の形態学
郡山健康科学専門学校名誉学校長
後藤 昇
認定単位:5単位((2)-g項目)
会 費:1,000円
事 務 局 :名古屋第二赤十字病院整形外科
担当:佐藤公治
〒466-8650 名古屋市昭和区妙見町2-9
TEL:052-832-1121 FAX:052-832-1130
e-mail:[email protected]
〈抄録〉大多数の人は、脊髄の形態学的な知見はすべて教科書に書かれていると考えている。本講演では教科書に記載されていない脊髄を中心とした2つの知見をお話しする。 A. 変形性頚椎症の形態学的検討について 変形性頚椎症の形態学的所見は意外に調べられていない。病理では解剖例が少なく、背面に切開を加えたくない、解剖では変形性頚椎症に興味がない、などが理由である。 まず、頚部の解剖学的背景について、①頚椎の形態、②頚椎の連結、③頚椎の計測、④頚の運動に関与する筋、⑤頚髄の外景、⑥頚髄の内景、⑦頚髄の計測、⑧頚髄灰白質、⑨頚髄白質の伝導路、⑩神経根の形態、⑪脊髄神経節と頚神経節、⑫頚神経叢と腕神経叢について簡単に触れる。次に65解剖体から頚部変形性脊椎症の形態学的所見を有する7例を選んで形態学的所見をまとめてみた。①頭蓋の重量、②頚椎変化のレベル、③脊髄への影響、④脊髄圧迫の4型、⑤脊髄の扁平率、⑥脊髄横断面積、⑦脊髄根への影響、について概略を述べる。 B. 神経線維系の最近の知見について 脊髄の研究はこれまで細胞系に偏重していて、神経線維系の検討はほとんど行われていない。神経線維は評価する方法がこれまでなかったのがその主な理由である。筆者の開発した研究法を中心に、①これまでの神経線維の評価法、②染色法の工夫(LPH染色とMGG染色)、③中枢神経系と末梢神経系の線維の染め分け、④脊髄白質の観察、⑤軸索の計測による神経線維の評価(錐体路の性差と加齢、老人性難聴と蝸牛神経の所見、深腓骨神経の加齢変化)、⑥脊髄小脳路についての解剖学教科書記述の誤り、などについて主な所見を供覧しながら述べる。 終わりに 脊髄についても未だ解明されていないことが多いことを理解していただき、リハビリテーション医療の現場で遭遇する様々な問題に対応するための基礎知識としていただければと考えている。
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