日 時:2012 年 8 月25 日(土)15 時 30 分~18 時 30 分
場 所:グランヴェール岐山(岐阜市柳ヶ瀬通6-14)
講 演:RAにおける最新リコメンデーションとコホート調査の重要性
~IORRAで明らかになったこと~
東京女子医科大学付属膠原病リウマチ痛風センター講師
田中榮一
認定単位:5単位((2)-g項目)
会 費:1,000円
事 務 局 :近石病院
担当:武内章二
〒502-0901 岐阜市光町2-46
TEL:058-232-2111 FAX:058-294-7380
e-mail:[email protected]
〈抄録〉関節リウマチ(Rheumatoid arthritis:以下RA)治療は、「薬物療法」「患者教育」「リハビリテーション」「手術療法」の4つの柱から成り立っている。近年、生物学的製剤導入に伴い、このうちの「薬物療法」は飛躍的な進歩を遂げ、短期的QOLの改善を目標とする治療から、長期的QOL改善を目標とする治療に関節リウマチの治療戦略は大きく変化している。すなわち、治療目標はこれまでの炎症コントロールから、関節破壊防止へと変化しており、さらには”寛解”が現実的な治療目標となってきている。これらの治療目標や治療戦略がどうあるべきかについては、ヨーロッパやアメリカのリウマチ学会より、各種のリコメンデーションとして発表されている。主として無作為対照比較試験(Randomized Controlled Trial:RCT)の結果をもとに、これらのリコメンデーションは作成されているが、多忙な日常診療の中で、このような治療戦略や治療手段が患者の予後(アウトカム)にどのような変化をもたらしたかを定量的に評価することは極めて困難である。
RCTは最もエビデンスレベルが高いとされているが、慢性疾患であるRAのアウトカムを短期間で実施されたRCTで証明することは困難であり、また、RAの臨床研究(治験)の選択基準は日常診療の患者層とは大きく異なることが多く、RCTの研究結果を日常臨床に反映させることには十分注意せねばならない。したがって、RAの臨床研究では長期的なアウトカムや安全性の検証する観察コホート研究の重要性が強調されている。
海外においては以前より大規模なRA患者登録システムが存在していたが、我が国においては東京女子医大附属膠原病リウマチ痛風センターにおけるIORRA(Institute of Rheumatology, Rheumatoid Arthritisの略)調査が2000年に設立されるまで、RA患者の大規模な観察コホート研究は皆無であった。IORRAは12年が経過したが、毎回5,000~6,000名の患者情報を集積することにより、日常診療におけるRA患者の実態を把握し、より良いアウトカムを達成するためには何が必要かを検討するために様々な角度からの解析が行われ、多くの論文が発表されている。
今回は、RAにおける最新リコメンデーションとともに、IORRAから分かったことを中心にRAにおけるコホート研究の重要性を概説する予定である。
RCTは最もエビデンスレベルが高いとされているが、慢性疾患であるRAのアウトカムを短期間で実施されたRCTで証明することは困難であり、また、RAの臨床研究(治験)の選択基準は日常診療の患者層とは大きく異なることが多く、RCTの研究結果を日常臨床に反映させることには十分注意せねばならない。したがって、RAの臨床研究では長期的なアウトカムや安全性の検証する観察コホート研究の重要性が強調されている。
海外においては以前より大規模なRA患者登録システムが存在していたが、我が国においては東京女子医大附属膠原病リウマチ痛風センターにおけるIORRA(Institute of Rheumatology, Rheumatoid Arthritisの略)調査が2000年に設立されるまで、RA患者の大規模な観察コホート研究は皆無であった。IORRAは12年が経過したが、毎回5,000~6,000名の患者情報を集積することにより、日常診療におけるRA患者の実態を把握し、より良いアウトカムを達成するためには何が必要かを検討するために様々な角度からの解析が行われ、多くの論文が発表されている。
今回は、RAにおける最新リコメンデーションとともに、IORRAから分かったことを中心にRAにおけるコホート研究の重要性を概説する予定である。
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