日 時:2011年 2月 26日(土)18 時 00 分~19 時 00 分
場 所:エーザイ(株)名古屋CO6階ホール(愛知県名古屋市東区泉2丁目13-23)
講 演:関節リウマチの薬物療法、手術療法とリハビリテーション
春日井市民病院整形外科部長 種田陽一
認定単位:5単位((2)-g項目)
会 費 :無料
事 務 局 :(医)守山整形外科
担当:高橋浩成
〒463-0811 愛知県名古屋市守山区深沢1-1831
TEL:052-739-2525 FAX:052-739-2505
e-mail:[email protected]
〈抄録〉近年、関節リウマチ(RA)の薬物治療と人工関節の進歩によりRAに対する治療法が変化してきているので、現在のRAに対する薬物療法、手術療法とリハビリテーションについて述べる。生物学的製剤の登場により、リウマチの薬物治療は飛躍的に進歩したが、高額であることと結核の再燃や感染症による死亡例が報告されているので、開業医には使いにくい製剤である。日本ではメソトレキサートの使用が8mg/Wに制限されており、レセプトにコメントをつけても12mg/Wしか使用できない。そこで我々はメソトレキサートをベースにしたDMARDsの併用療法を試みている。併用効果がみられたのは、ミゾリビン、スルファサラジン、ブシラミンである。またタクロリムスをベースとした併用療法も試みている。手術療法の変化の第一は、従来盛んに行われた滑膜切除術の減少である。これはメソトレキサートがRAの治療薬とし登場してからと思われる。その後の生物学的製剤の出現により滑膜切除術は益々減少してきたが、それでも残った腫脹関節の滑膜切除を行うとする新たな試みも行われている。その第二は骨セメントによる死亡例が報道される昨今、セメントレス人工関節が進歩しRAにも使用されるようになったことである。特に股関節のステムで著しく、我々はここ数年RA股関節にもセメントを使用していないが、術直後より全荷重で歩行訓練が行え、入院期間も短くなっている。人工膝関節も手術手技と術後のリハビリテーションの進歩により術後数日で100度以上の屈曲が得られ、130度以上屈曲可能な症例も多く存在する。人工肘関節に関してはヒンジ型人工関節で少し遊びのある、所謂ルーズヒンジ関節が良好な長期成績をあげている。我々はCampbelの後方アプローチを用いているため術後3週は伸展運動のみを行い、その後90度以上の屈曲を行っているが、130度以上の屈曲は容易に得られる。人工肩関節はRAでは腱板の機能が悪いことから凹面と凸面を逆にしたReverse Shoulderが世界の主流になりつつあるが、日本では許可されそうにない。足関節もようやく日本でも使用できるものが出現し、脛骨コンポーネントと距骨コンポーネントをセメント固定し、その間にポリエチレンを挿入固定する方法が手術手技が容易で普及すると思われる。しかし、手関節だけは未だ使用に耐える人工関節がなく関節固定術が主流である。
コメント